一つの勉強理論5

 「どのように」勉強すべきか。その2
 答案構成の反復で重要なのは、速度です。僕は、一つの演習書を一周するのに、最長で二週間と決めていました。かつ、二週間で全科目一周ないし二周できるように勉強計画を立てていたので、僕の勉強時間のほとんどは答案構成の時間だったといっても過言ではないと思います。理想は、これに加えて最高裁判例解説を読むとか、基本書を読むとかすればもっと良いのかもしれませんが、時間的に無理がありました。結果的に演習書をマスターできなかったことから明らかですが、基本をマスターしようとするだけで一杯一杯でした。
 次に答案構成の反復で重要なのは、答案例の読み方です。答案例は、懐疑的に読みました。「分かりにくい」と感じた答案例は、日本語的におかしいだけでなく法律学的にも正確でないことが多いと思います。そのような部分については、自分で考え、調べるなどして修正していきます。始めのうちはこの修正のための時間をかなり取られました。
 答案構成以外の勉強で重要なのは、書く訓練と短答対策になると思います。短答対策については、問題を解く→間違えた部分をメモる→問題を解く→間違えた部分をメモるを繰り返して一定量のメモをストックしたら、後はひたすらそのメモを毎日見直してマスターする。
8〜9割方マスターした場合(あくまで感覚的)、見直しの時間は早くなるので、余った時間で、解く→メモ作成。そんでまたメモを覚える。ここで大事なのは、最初に作ったメモについても見直しは止めないということ。そのため、メモは相当数増えていきます。
 でも、メモ見直しに費やす時間は増やしません。スピードアップです。短答対策で覚えるのは単純な知識なので、大量高速反復の効果が論文よりも顕著だと思います。一週間で一周するペースで読むより、「同じ時間で」3日で一周するほうが効果的です。
 あと、判例の単純な知識について聞かれない公法系については、百選の事案と判旨を高速で読んでました。百選も多すぎるので、自分でそれぞれ180個と200個くらいに厳選して、それぞれ一週間で読みます。僕は週6日を受験勉強に当てていたので、平均して憲法一日30個、行政法一日33個という按配です。最初は二時間くらいかかっていましたが、最終的には一時間以内に読める(というか意識して時間内に読む)ようになりました。
ちなみに肢別本と条文素読は、賛否両論あるかと思いますが、僕は必要ないと思います。肢別本は一応やりましたが、知識の底上げのためというより穴埋めとして用いるのがベターな教材という感じ。総仕上げに使うならば良いかもと思います。素読は、あまりにつまらなくてストレスが半端ないのでやりませんでした(憲法の統治は覚えましたが)。まあ、ストレスを感じないなら一回くらいは条文すべてに目を通すのも良いかもしれませんが、僕はその時間があるなら間違いメモを読み返したいと思いますね。
 書く訓練については次の記事で・・・