ヒアリングについての愚痴

 仕事遅いな・・・
 まず憲法
「他方で,きちんと出題の趣旨,意図や出題者側が想定しているような問題点を的確にとらえ,資料も的確に分析して,筋道を通して考えているという答案もあった(例えば,先に述べた「検閲」に関してであるが,少数であるが,現在の判例学説の検閲概念には当たらないとした上で,今回の事例を分析し,新たな検閲概念を模索する必要がある,と論述を進めるものもあった。)」
 これ、評価するということだと思いますが、人生かかってる2時間という限られた時間の試験でそれまで聞いたこともないような自分なりの検閲概念を持ち出すことが出来るわけないじゃないか。無茶言うな。それとも「新たな検閲概念」というのは単に判例の検閲概念以外のことを意味してるのか?
 次に行政法
「勧告の取消訴訟+執行停止と公表の差止め,仮の差止めを可能性として挙げた上で,例えば,公表の方は処分性を否定し,前者の勧告の取消訴訟+執行停止が最も適切であるとする解答,あるいは,公表に対する当事者訴訟を候補として挙げた上で,仮の救済がないから駄目ということで,勧告の取消訴訟を選択するという解答などが多かった。もっと両者につき,可能性を詰めて比較した上で,果たしてどちらが適切なのか,という十分な検討をしてほしかった」
 後者はともかく、前者は何がいけないのだろうか。まさか、「処分性が認められる可能性があるから、その場合について勧告の取消訴訟の場合と比較する」なんて「論評家風の」記述を求めているわけではあるまい。前者の場合でも処分性が無いなら無いで公表に対する当事者訴訟を検討して、可能性を詰めて比較検討せよ、ということか?それなら言いたいことは分かるが、上の文からそれを読み取れというのは読み手の能力に期待しすぎだろう。意味不明。
 質疑。
「受験雑誌などで,実は「優秀答案」とも「模範答案」とも言えない答案が,「優秀答案」・「模範答案」として流布し,後輩がそれを覚えるという形になってしまうことに,大きな問題を感じている。」
 なら1位答案公表しろや。
 次に商法。
「今回で3回目になるが,最初のころから,法律問題についての論述もさることながら,事実関係を当てはめていくという面での力が弱いのではないかという意見が,考査委員の先生方から指摘されていた。3回実施してきて,その点少しは受験生も慣れてきたが,まだまだそれが十分なところまで到達していないということであろう。」
 今年は超基礎的な論点にして、あてはめで差がつくような問題にしてください。
 次に民訴。
「こういう問題については非常に弱いのではないかと感じた。」
 まさかこういうそこそこ勉強してない人でもそこそこ勉強してる人でも差が付かないような問題を今後も出題するつもりですか。恥ずかしながら僕はそれで得する方だと思うので別に構わないが。
 質疑。
「学生は,解答がないような教材を使うと,必ず我々に何が正解なのかと聞いてくる。まずは,そういった頭を切り替えさせてやるということが,ロースクールでやっていくことではないかと思っている」
 これは誤解だろう。学生が聞きたいのは「正解」ではなくて「ありうべき解答例」だろう。自分の導いた答えとその過程が、試験という場において一定の評価をもらえるものなのかが気になるのであって、誰も答えが一つなどと考えてはいない(たぶん)。教員が望む学生全員の作成した解答についてコメントを付けて評価してくれるのであればともかく、そんなん無理だから教員側に一つや二つの「ありうべき解答例」を求めるのは、学生・教員双方にとっての妥協策として当然だと思うが。教員には、その辺の頭を切り替えて欲しい。
「事実の当てはめのところが重要だということは,認識されつつある。そういう面には光が射しているが,それが逆効果になって,法律論のところが手薄になっているものもある。その辺りが,受験生は上手くコントロールできていないようである。」
 出題者側モナー



 文句ばかりになりましたが、やっぱ採点側の意見というのは大事なので、ひとまず全部飲み込む必要がありますね。なんとなく答案の輪郭も見えてきたような気もします。